マインドコントロールについて

 

マインドコントロールについて

 12月10日、旧統一教会の被害者救済法が衆議院本会議で可決、成立した。

 この救済法の条文をめぐっては、野党側から、「マインドコントロール下での寄付の規制」に関する意見が付されていた。このことについて、一言言わせてほしい。

 「マインドコントロール(洗脳)」という定義が難しい、曖昧過ぎる文言を条文化しようとするなんて、どうかしている。

 こんな条項を条文化して、被害者がマインドコントロールされているかどうかを誰が判断できるのか。言葉は悪いが、馬鹿なのかと思ってしまう。

 旧統一教会をメンタリスト集団か何かだと勘違いしているのだろうか。

 もっとわかりやすく、「黒魔術を活用した献金の禁止」等と規程してはどうか。
 とってもファンタジーな法律になるだろう。

 国会という言論の府の最高機関で、このような稚拙な議論が交わされていることに、正直驚く。

 マインドコントロール(洗脳)は、「Wikipedia」によると、「操作者からの影響や強制を気づかれないうちに、他者の精神過程や行動、精神状態を操作して、操作者の都合に合わせた特定の意思決定・行動への誘導すること・技術・概念」とされ、「コトバンク」では、「一時的にあるいは永続的に、個人の精神過程や行動を操作あるいは支配すること」と記載されている。

 ここでのポイントは、本当に他者の意思を「操作」することが可能なのかということ。 

 私は、旧統一教会の元二世信者であることを前述した。これまでの教会生活の中で見聞きした範囲で一部を暴露すると、「先祖のため」「子孫のため」という名目で、クレジットカード等で借金をさせたり、生命保険の返戻金を解約させるなどの事例も実際に聞いたことがある。
 これらは重大な問題だが、手法としては相手の意思を操作しているのではなく、単に献金を捧げさせる説得に成功しているのだ。
 なぜなら、説得した教会員は、相手をだましている意図はなく、善意で説得をする。それゆえ、その熱意に納得してしまうのだろう。

 

 私は、何者かが、わざと論点を「マインドコントロール」、「カルト」という簡単で、曖昧な方向で処理しようとしているのではないかと深読みしてしまう。

 

 根本の問題はほかにある

 大手自動車メーカーのトヨタには「5W1H」という考え方があるという。
 「Why(なぜ)」を繰り返して真因をつきとめてはじめて、「How(どのように)」解決するかを決定していくというものだ。  
 「Why」1回では、真の原因をつきとめることはできない。
 真の原因を突き止めないまま、解決しようとしても、また同じ失敗を繰り返すだけだ。

 この旧統一教会献金被害者で考えてみよう。

 1、なぜ、献金被害が発生するのか
→教会の担当者が一部で過剰に献金を捧げさせているから。
 2、なぜ、過剰になる事例があるか
→地区、教会毎のノルマが大きく、達成できないと叱責をうけるため、担当者が過剰になる
 3、なぜ、ノルマを課さないといけないのか

 

 このように、3つ「Why」を繰り返すだけでかなり深層までたどっていける。

 なお、3つ目の答えを得るためには、韓国本部等に献金の流れに関する質問をしなければならない。
 
 あとは、本件についてどこまで証拠をつきとめていくかだけだ。

 政府として、外国の宗教団体に対し、どこまでの措置を講じることができるのか。
 国際問題にも発展しかねないこの大きな問題に真剣に向き合うことは、政府には期待できない。